かぐや姫、はいりまーす
…というTV-CMも印象に残っているこのゲームは、ファミコンのディスクシステムで販売された(後にコンソールにも移植されましたが)「新 鬼ヶ島」。テキストベースのアドベンチャーゲームです。
当時、こういったアドベンチャーゲームといえば、謎解きだとか、「脱出ゲーム」的なものが多かったのですが、この「新 鬼ヶ島」は…もちろん謎解き的な要素はありましたが、メインはあくまで「ストーリー」。
絶妙な按配でミックスされた、日本昔話の換骨奪胎な名アレンジと、たくさんの出会いと別れの物語でした。
そして、ただお話を読むだけなら本を読めばいいわけですが、このゲームの好きだったところはアドベンチャーゲーム的なインタラクティブ要素は当たり前として、時おりチョイチョイ差し込んでくるナンセンスなボケが面白かったところですね。
普通の本だったら出てこないようなバカバカしいテキストが、「ゲームでの選択肢のリアクションとしてなら許容できる」レベルで唐突にはいってきて、「ああ、そういやこれゲームだったなw」とニヤニヤさせてくれます。
「みる」→「うえ」 → 「あんぐり くびだるい」
いや、面白いとかつまらないとかそういうんじゃなくて、選択肢のバリエーション的に(多分)意図的に雑に書いたものがはいってくるこの感じが、「ゲームだなあ」と、当時子供だった自分もニヤニヤしてしまったのでした。
今思うと、手塚漫画でシリアスになりすぎると唐突に出てくる「ヒョウタンツギ」や「オムカエデゴンス」で、「これ、漫画だからね」と強制的に感情をリセットさせられるあの感じに近かったのかもしれません。
おしてみなよ
謎解きも印象深いものがいくつかありましたね。 鬼達が「におい」を嫌がることからの「いおうだま」の使い方とか、 後は終盤の「おしてみなよ」は結構みなさん引っかかったんではないでしょうか?
今回の記事を描くにあたって検索してみたらヒットしまくりでした。 みんなあそこでアレしてしまってたみたいですね。 何だか妙な嬉しさを感じてしまいます。
忘れられないゲーム
あのビジュアル解像度とひらがなでつづられる物語は、いったん頭に入って、そこから自分の想像に転写させれらて鮮やかに色づきました。
今聴くとさすがに聴き劣りするとはいえ、ディスクシステムのPWM音源は当時のゲーム少年には衝撃の音質でした。
そのどこか物悲しげなサウンドによって、脳内補間はより立体的に演出されたわけで。
このゲームは前後編の大作で、前編を発売日で買ったのなら後編が発売されるまでのリアル時間を含め、クリアまでかなりの時間を要しました。
序盤からの小さなエピソードの積み重ねからの終盤を経て大団円にいたる頃には、「ああ。このゲーム、もう終わってしまうのか…」と感慨深く思ったものです。
今の子は今の子で、物心付いた頃からネットがある環境はよだれが出るくらい羨ましい限りですが、ああいったゲームを適切なタイミング(ゲーム黎明期&子供時代)に遊べた事については、自分はとてもラッキーだったと思います。
また、こういうド正面ガチ王道なアドベンチャーゲームをやりたいですね。
…いったいさん、また会いたいなあ。
これ、7つ上の姉が中学時代にはまったゲームだったんですよね。
その頃は私はまだ物心つくかつかぬかという頃だったのですが、何かのゲーム雑誌に、
芝刈りに行くおじいさんが熊に遭遇して腰を抜かしてるシーンが載っていたのを見たのを、
なんとなくぼんやりとながら記憶に残ってます。
で、FC20周年を迎えた高校生時代にレトロゲームに目覚め始めた頃、
姉貴に「これおもしろいからやってみ」と勧められたのがこのゲームだったんです。
全クリまで苦労したけど、その分、感動はひとしおで、この感動を絵で表現したい!という強い思いが
イラストを描き始める動機になり、あるゲーム雑誌に投稿した主人公たちの絵がいっぱつで
イラストコーナー巻頭を飾ってちょっとした賞をもらい、その喜びで有頂天になり、
本格的にイラストの趣味に没頭するようになりました。
同時に、大枚をはたいででも欲しいレトロゲームを買い集めて遊ぶレトロゲームマニアへの道へと
私を引きずり込んだ、ある意味、罪深いゲームでもあったり 笑
遊遊記と比べると、ADVゲームならではのゲーム性が主眼に置かれていて、
シナリオ面では多くを掘り下げて語らない傾向があると感じましたが、
その分、ギャグ基調ながら本質はシリアスな物語を強く印象付けているのかなとも思いましたね。
素朴ながら独特な個性を持った音楽も最高です。
非リアルタイム世代の私にとってもいろいろと思い出深い作品でした(^^)
新鬼ヶ島、シンプルな絵柄とストーリーが、絵本的な想像する余地を残してくれたりと、良いゲームでしたね~。
少ないながらも、このゲームの公式イラストは本当に秀逸で、キャラデザも慎重になされていて味わい深いですよね。 描きたくなってしまう気持ち、よくわかります。
スーファミやPCエンジンが出てもなお、このゲームの演出は決して色あせてない作品だったと思うので、リアルタイムでなくとも惹かれた人がいたというのは、嬉しいお話でございます。
ちょっと前までは、レトロゲーの見た目や演出を「クソゲー」なんて言っていっしょくたにしちゃう人も多かったのですが、最近は「レトロ」が見直されてきて嬉しい限り。 これからもお互いレトロゲームを愛して行きましょう。=D