冬山を、ハンマーで氷床を下からブチ破って上っていく登山ゲー「アイスクライマー」!
登頂後の帰還手段が一人分なので、2P対戦が非常に熱いこのゲーム……! なのですが、なんでかドス黒い空気にならない、不思議と「ライバルよりはバディ(相棒)」感が漂ってくる、独特なゲームでした。
対戦なのに共闘な雰囲気。謎の「バディ感」。
今回のイラストは、1Pキャラが脱落したのを見た2Pキャラが
と最敬礼している妄想シーンです。 でもきっと、これを言ったその直後から、気分サッパリ切り替えて黙々と頂上を目指すんでしょうけど! =D
さてこのゲーム、途中までいかに2人で助け合ってきたとしても、帰還に使う巨鳥は一羽のみ。 完全な共闘には決してならず、最後には蹴落とし合いの死闘となるんですよね……。
でも私はなぜかこのゲームに、ドロドロした骨肉の争いな印象は受けなかったんです。 というのは背景ストーリーとして、登頂成功の確率を高めるために、2人のクライマーが派遣されたんじゃないかと思うんですよ。
つまり、2人の共通ミッションとして「登山自体の成功」がまず先にあると(とは言えお互いには、先んじて踏破したい野望もある)。
ゆえに、登頂成功の見込みが立つまでは共闘、大詰めになったら成功者の名をかけていざ勝負……というドラマがあったんではないか。 対戦相手は蹴落とすライバルであると同時に、手を取り合うバディでもあったんではないかと……そう私は妄想してしまうわけです。
のほほん可愛いキャラクター
1Pキャラは男の子で「ポポ」と言うそうです。 このイラストでは落下ツララ喰らって名誉の戦死を遂げてます。
2Pキャラは女の子で「ナナ」。ファミコン&アーケードではビジュアルの違いは無かったように思いますが、スマブラ参戦時に大分設定が決まった感じですね。 なお、このイラストではポポとナナの髪型と手袋だけスマブラ参照してますが、後はファミコン時のコスチュームです。
敵のオットセイも可愛かったですよね。 このゲーム、特にファミコン版は見た目で「殺意」を感じる敵がいないのが特徴でしたね。 みんなのほほんとしてます。そういう雰囲気込みでこのゲーム好きでした。
なんやかんやで、やっぱり2P「対戦」は楽しかった
まあ、そうは言っても、やっぱり2P「対戦」は面白かったですね。
このゲームは画面2分割とかではなく1画面を2人で共有するので、先に片方に上に行って画面がスクロールすると、それに取り残されたもう片方のプレイヤーは「1ミス」となります。
なので、相手の進捗に目もくれずガンガン先へ行けば、おのずと蹴落とせるんですよ。
こんな光景が普通に展開されます。
他にも、ジャンプして落ちてきた相手を下から突き上げて敵にぶつけたり、直接ハンマーで殴ってひるませて敵に当てたり、押して床から落としたり……。 蹴落とすための手管は実に豊富でした。
ステージのギミックも豊富で、それによって戦い方が変わるのも良かったですね。
そんな仁義無き戦いをしつつも、やっぱり登頂は成功させたかった
そんな熱い2P対戦でしたが、このゲームの不思議な所は、登頂成功が確定後にスタートする「ボーナスステージ」までは(…或いはその手前までは)、積極的に邪魔し合わない空気があった所です。
まあ、早々に対戦相手が脱落してしまうと、クリアまで延々1Pプレイする事になるのでつまらん、という事情も大きかったんですけど、それだけでも無かったような。
というのは、ボーナスステージに入る前に2人とも残機ゼロになったら「GAME OVER」ですが、どちらか片方がボーナスステージに入れれば、ステージ自体は「クリア」になるんです。
しかも、ボーナスステージの途中で落下死しても、単に「ボーナスがゼロ」というだけで、クリアのリザルト画面へは行けます。 つまり、登山自体は成功したことになるんですよね。
そういう構図を知ってか知らずか、このゲームの2P対戦ではお互いが残機1になると、ボーナスステージに入るまでは相手にちょっかい出さなくなる「見えざる力」が働いたと思います。
「クリアはしようぜ」みたいな暗黙のルールが、プレイヤーの間にもあったというわけです。 やっぱり変なバディ感があったなあと。
そんなこんなで……
2P対戦が熱かったこのゲーム……。 でも私の記憶の中では、あんだけ2P対戦プレイをしたにも関わらず、過度にヒートアップした思い出が無いんですよね。
むしろ、スクロールアウトでのライバル阻害は、なるたけ避けてた様に思います。 だって、そんなことしても面白くないんですもの。 上述しましたが、早々に対戦相手がいなくなってしまうと、ゴールまで単なる1Pプレイのゲームになってしまうので。
確か、床が氷になるまでは助け合い(下層は緑とか茶色)、とかのルールを決めてやってたような。
ステージが進んでくると敵の数やスピードが上がってくるので、ある程度協力した方が楽ですしね。 クリアの見通しが立つまでは、仲間は大事にしないと。
という感じで「頼れる相棒こそ良きライバル」として、目的のために共闘して最後に白黒つけるという、極めてクリーンに戦えたゲームが本作だったと思います。
またこういうゲームで友達と一緒にワイワイ遊びたいですね~。
……以上、レトロゲーム絵日記「アイスクライマー」でした!
※今気付きましたが、任天堂が3連チャンでしたね……。