この原作からよくもここまで良ゲームにしてくれた!
「手塚治虫」漫画の「火の鳥」。この漫画についてだけでも相当な文字数を語れてしまうのですが、そんな昭和漫画の金字塔の1つである「火の鳥」を、コナミがファミコンでアクションゲーム化!
「火の鳥」自体についての説明は省きますが、「これを一体どうすればアクションゲームになるんだ」という内容の漫画であることは言うまでもありません。
「火の鳥」自体が人間や生き物の群像劇であり、各編によって語り口も異なり、シリーズを通しての主人公といえる存在(敢えて言えば猿田彦の系譜か…)もいない大河漫画です。 かといって火の鳥を主人公にするわけにもいかないでしょう。
それを、ちゃんと面白いアクションゲームに落とし込み、「火の鳥」的な要素もギリギリ(というか絶妙なライン)まで担保したこのゲームには、本当に脱帽です。
主人公は我王。鳳凰編での主人公。仏像メインの彫師。ということで、飛び道具な武器で「ノミ」を投げまくり、足場にもバリケードにもなる「鬼瓦」を配置しまくる横スクロールアクションゲームのキャラクターとしてデザインされています。
この「鬼瓦」の遊びが本当に面白い!
空中に配置して階段や橋を作るのはもちろん、ボス戦では敵の弾を消すバリケードにも使えるというシンプルながら地味に奥深いゲーム性。 これをアクションゲームでのスキルとして活用させるデザインの妙がたまりません。
当時ファミコンで、武器以外のアクションにここまでプレイヤーが「やれること」が多かったゲームは、そんなに無かったと思います。
BGMも、コナミ特有のFM音源ぽい音がまたいい味出してます。 エンディングでの「火の鳥のテーマ曲」は、クリアの達成感もあいまって鳥肌物です。遊ぶチャンスがあったら、是非挑戦して見てくださいね!
…それにしてもこのゲーム、本当によく出来てるんですよねえ。 もしかしたらゴエモンとか他のゲーム用のアイデアをこっちに持ってきたとかなんですかねえ。