区切りの第20回のレトロゲーム絵日記は「ドラゴンクエスト3」!
「1」「2」の伏線を回収しつつ、この「3」自体も膨大なエピソード数を誇り、魅力的なキャラクターとの出会いと別れに満ちた大傑作。 ドラクエシリーズは、一旦この「3」をもって完結したといっても過言ではないでしょう。
私のファミコン時代を強く彩る、あの時代での私的ナンバーワンRPGです。
商人子ちゃんと別の道を歩むことになったお別れシーン
イラストはゲーム中盤のあのシーン。 建設途中の村(ていうかまだ空き地)を発展させる、という人々に心を動かされた仲間の商人キャラが、「自分も商人として加わって村を発展させたい」と、勇者パーティーから離れて建設地に残ることになった、あのお別れシーン。
これ、本当に自分のパーティーの商人キャラとのお別れなんですよね。これはパーティーにとっては小さくない事件だったと思うので、そのシーンをイラスト化です。
商人子ちゃん。 ファミコン版の漫画っぽいテイストに寄せました。 ていうかリメイク版は「ドラゴンボールGT」っぽ過ぎて、どう描いても「鳥山明ファンアート」にしかならない気が…。
ひっつめ髪のポニーテールにトルコ商人みたいな服装のちんまり少女。 個人的にキャラデザの中では一番好きですね(次点で女賢者)。
戦いではない方法で、人々の暮らしを守る道を選んだ商人子。 新しい夢と目標に胸を膨らませつつ、仲間との別れを受け止めています。 かわいいよ、かわいいよ商人子ちゃん。
商人子ちゃんの新しい道での活躍を信じて、誇らしげに去っていくイケメン二人。
勇者と戦士。 「ロトの盾」と「ちからの盾」は、この時点ではまだ持ってないはずですが、大好きな装備なのと絵面的にどうしても欲しかったので。 でも、一枚絵の方では配置の都合で「ちからの盾」が勇者の体に思いっきり隠れて、地味に悲しい(笑)。
鎧や服装はキャライメージのまま。記号として「勇者」と「戦士」な感じ。 それにしても勇者の、黄色と青を基調にしたカラーリングに黒髪+ティアラのキャラデザは完璧で、素晴らしいの一言です。
両手を振って最後まで別れを惜しんでいるのは遊び人。 せっかくの女の子キャラなのに顔も描いてないですが、今回のメインは商人子ちゃんなので、意図的に後姿。
立派なお胸も描けませんでしたが、地味にお尻がかわいく描けたのでセクシーキャラとしてはまずまずでは……?
「別れを惜しむ」絵のはずなんですが、「再会をよろこんで駆けつけた」感じに描けてしまって、ちょっとあれな感じでもあります。
これはこれで「実は育ちの良さそうな感じ」が出ていて好きです。 これなら賢者に転職できてもおかしくないです。
建設予定地は、森の中のちょっと開けたところに柵を置いて、寝泊り用にやっと家一軒建ったぐらいのイメージ。 ゲームの進行にともなってグングン発展していくのが、プレイしていて実にうれしかったのを良く覚えています。
駒だと思ってたパーティーメンバーが意見を言った衝撃
ドラクエ3での驚きの1つは、自分のコマとして使っていたキャラクターが突如自分の意見を言い、自分の手許から離れていったというこのシーン自体についてでした。
ルイーダの酒場で戦闘要員としてスカウトし、連れまわしていただけのつもりだったキャラクターが意思を持っていて、話しかけてくるなんて……。
このゲームはそれまでのシリーズと違い、キャラにできるだけ固有設定を持たせないつくりになっています。 パーティーメンバーも「ルイーダの酒場」でゆきずりの冒険者を雇った体で、特にキャラ付けはなされていません。
でも、キャラはちゃんと人間だったんですよね。
商人として、商人の力で人々を救おうという、勇者一行に参加して名を上げる事とは別の夢を、商人子ちゃんはつかんだのでした。 いきなりその願いを突きつけられたとき、まだ子供だった自分は軽く衝撃を受けました。
ドットの世界に、確かに人間が生きていたドラクエ3
ゲームの流れ的に、プレイヤーは「ラスボスを倒して世界に平和をもたらす」というモードで遊んでいるんですが、そこへ来ていきなり「平和の要件はそうシンプルではないぞ」と一発ガツンと来るわけです。 そりゃリアル世界の自分ならそんなことはわかってますが、ゲームのこの流れで言われるとグッと来ます。
このゲームにはちゃんと人間が住んでいて、みなしあわせになりたがっているのだと。
不死鳥ラーミアの巫女さんや、ジパングのヒミコ、イシスの女王、オルテガ、そして新しく町を興そうという名も無い人々。
膨大なバックボーンを予感させる(無いかもですがw)キャラクター達すべてが、ドラクエの世界の中に確かに生きていたし、このゲームをプレイしていた私は、確かにあの世界を旅していたのだと思えます。
僧侶コスチュームはすごい発明でしたよね。流石は鳥山大先生。 色味はゲームならあの青でよいですが、自分の好みではこのくらいの地味な青が好きですね。聖職者ですし。
壮大な大河ドラマ。世界をめぐる旅と、出会いと別れ
イベントをこなして中ボスを倒しながらラスボスにたどり着いて終わるのがRPGですが、この「ドラクエ3」は、ただそれだけではなかったと思います。
各種イベントで出会う人々とその別れは、この世界が確かに生きていることを実感するためのものでしたし、世界各地を回る旅は、ただレベル上げのためではなく、「この世界は守るに足るものだ」と再確認するためのものでした。
職業を変える「転職」など、ただのドットで描かれたキャラクター達に「人生」を想起させる仕様は、空想の中のリアルを確かにはぐくんでくれました。
そしてラスボスを倒し、ドラクエ3をクリアした時には、その世界とキャラクター達との別れに、それまでの膨大なエピソードも思い出されて、何とも万感の思いがこみ上げてきたのを今でも思い返せます。
間違いなく、ゲーム界の大河ドラマ、あの時代の自分にとってナンバー1のRPGだと言えますね。
というわけで……
このゲームは懐が広すぎて、どこから何を語ればという感じなのですが、今回は「別れ」と「世界」に焦点をしぼったイラストとコラムにしてみました。
その他の大筋ストーリーや見所については、他に良いサイトさんがたくさんありますしね。
私はドラクエは「8」までやっていましたが、それ以降はちょっとあいてしまってます。 これを機会にまた遊んでみようとも思うんですが、自分にとって最強最大の存在であるドラクエ3のラスボス「ゾーマ」が、数ある敵キャラの1つに融けこんでしまった今のドラクエ世界に慣れるのには、ちょっと時間がかかりそうです…。
以上、レトロゲーム絵日記「ドラゴンクエスト3」でした!
こいつもお別れを言いたそうなので貼っておきます。 やっぱりこいつがいないとドラクエじゃないですよね!