iPadPro、お絵描き向けへのサイズ提案。
この記事は「お絵描きの液タブとして「iPadProを検討中」な人向けの提案記事です。※2022.8.2 調整版です。
結論から言うと……
PCと連携して作業をするかどうかで変わってくる……というのを前提にしまして、
PC連携を前提でなら11インチ、iPad pro 単体で作業を完結するなら12.9インチが良いと私は考えます。
さて、新型旧型を問わず、色々なサイトで様々な情報がありますが、ぶっちゃけ絵を描いている人のお勧め記事が少ないですよね。 使用感レビューぐらいまでは結構あるのですが。
いや、「絵を描くならこれ!」みたいな記事は結構あるんですが、記事を書いている本人はさほど…あるいは全然絵を描かない人だったりします。
そういう人が「絵を描くなら絶対大きいサイズ!」「小さくても慣れるので大丈夫!」とか一般論を言っていても正直、
と思ってしまいますよね。 なのでご本人の環境情報を絡めたイラストレーターさん達のレビューはとっても貴重で、私もすごく参考にさせていただいています。
そこで自分も未熟ながら、自分なりにやってみようと思った次第です。 以下に、冒頭提案の詳細を書いていきます。
作業をどれだけ iPad Pro に依存するか
11インチを買うべきか、12.9インチを買うべきか。
それには付き合う深度が大きく影響します。
- iPad Pro だけで絵を完成させるのか
- iPad Pro と PC とで、連携して絵を完成させるのか
つまり、どれくらい絵に対してiPad Pro に依存するのかというお話ですね。 まずは自分のお絵かき用途のiPad依存度を確認しましょう。
iPad Pro だけで絵を完成させようというのなら、12.9インチ。
絵を完成まで…仕上げやブラッシュアップを含めた「最終クォリティ」までiPad Pro でやるということになれば、それなりに充実したお絵描きツールのフル活用が必要になってきます。
充実したお絵描きツール…となると、クリスタやPhotoShopのiPad 版ということになってきますが、これらのアプリは「各種調整用のプロパティウィンドウを多用してこそ」な部分が少なからずあります。
なので画面が大きくないと、そういったウインドウ群に画面が圧迫されて、描画キャンバスの面積が大きく取れないんです。
こちらは 11インチの メディバン作業画面スクショ
こちらは 12.9インチでのメディバン。
あんまり変わらない? と思うかもですが、リアルのサイズ比はこんなです。絵を描くカンバスウインドウの大きさの差は歴然ですね。
勿論、こういったレイヤーウインドウ等の表示を消すことはカンタンです。
でも、表示したり消したりといった手間の蓄積がどれほどお絵描きのノリを削ぐかは、描く人なら想像できますよね?
表示したまま作業できるに越したことはありません。
そして当然、大きな画面で大きなストロークで描けたり、細かい所をより拡大して微調整できたりといった大画面であることの利点そのものもあるわけです。
最初から完成まで長時間の作業を iPad で行うのであれば、その利点は最大限活用できることになります。
なのでクォリティ担保すべてを iPad Proに求め、クリスタなどのがっつりしたアプリを活用するなど、iPad Pro だけで絵(漫画)を完成させたい人には私は12.9インチをお勧めします。
※修正:2021年版の iPad pro にはメモリ8GBと16GBモデルとがあるので、今や充分以上です!※
それと、Apple Pencil の感度は、Wacomの最新のペンからすると半分以下の性能に思います(1028以上だとは思いますが公式発表はありません)。
微細な描線の入りと抜きを大事にする人は物足りないと感じるかもしれませんが、要はIntuos3レベルだということなわけで(私の体感)、私のスタイルでは許容範囲です。
iPad Proでは線画まで・仕上げはPCでなら、11インチもOK。
ですが、iPad Pro の用途としてはラフ・下書き・清書(ペン入れ)までが目的で、あとはデータをPCに持っていき、自分の得意なツール(クリスタでもフォトショでもイラレでも)でPCで仕上げるタイプの人には、11インチが視野に入ってきます。
というのは、使うアプリが Procreate などのシンプルなもので事足りてくるからです。
Procreateは下画面のように、ほぼキャンバスだけで作業が済みます。 画面をフルに使えるので11インチの iPad Pro を小さく感じることがあまりありません。
11インチ | 9.7インチ(参照用のおまけ) |
そういう意味で、11インチでも十分に作業ができるんですよね。
もちろん、「大は小を兼ねる」で12.9 インチはさらに便利とも言えますが、要は11インチでも画面は小さくないですよと、ここでは言いたいわけです。 乱暴な例えですが、B5の紙に描くのとA4の紙に描くのでどっちが自分好みか…を考えて、後はお財布と相談なのかもですね。
個人的にはPC連携しつつ11インチをお勧め。
そもそもPC連携を勧める理由
ここまで読んできた人には「だったら下書きから全部PCでやれば?」という人もいらっしゃると思います。
でも少なくとも私にとってそれは違うんですよ。
清書(ペン入れ)まで出来ていて、後は微調整・色塗りやフィルタ効果をつけるだけ…ぐらいになっていたら、液タブである必要ってあんまり無いように私は思うんです。
むしろパラメータなどの数値入力に最適なキーボードと、その大量のショートカットや、デュアルディスプレイを使った大画面での並行作業ができる、PC作業のメリットの方が勝ってくると感じるんですよね。
逆に線画、特にラフや下書きなど、自分の頭のイメージをダイレクトに出してみたいとか、何か線を引くことをきっかけにイメージを膨らませたい(思いつきたい)、というアナログな領分では液タブが勝っていると感じるんです。
また、iPad Pro 本体をクルクル回して描いたりとか、そういった事ができるのも地味に重要だったりしますよね。 寝っ転がって描けることは私には滅茶苦茶ラクでありがたいです。
そんなわけで、私はよりアナログ的な作業とデジタル的な作業を分業する、PC連携をお勧めします。
その前提で11インチを勧める理由
この11インチサイズなら何とか片手で持てます。 ベッドに寝っ転がって、なんと仰向けで作業できてしまいます(といっても、漫画のラフやネーム、下書きのアタリまで)。 私のガタイが大きくて手も大きいからかもですが、胸の上に乗せてちまちま描けるのはものすごく楽で良いです。
まあ、寝っ転がってやる話はともかく、TV見ながら床置きで描いたり、乗り物の中でひざの上に乗せて描けたりと、とにかく自由なんですよ。
12.9インチの方も2018新型になってかなり小さくなりましたが、これの目指す携帯性はあくまで「持ち運び易さ」であって「携帯したまま作業できる」では無いと私は思います。 そういう意味で、11インチはそれが出来るギリのサイズでちょうど良いかと。
ただ前述の通り、私がやる作業内容は「線画」までです。 ここまではPC よりiPad Pro の方が楽しいし効率よいのですが、そこから仕上げていくのはデスクトップPCでです。
ていうか作業内容を限定するからこそ11インチで充分というわけですね。 とはいえラフはともかく「線画」までやれるのはすごいことだと思いますよ。 PCではそれを盛って仕上げるだけですから。
使用アプリは Procreate のみ。 そして少なくともこの環境で作業をしている限り、私は11インチの描画領域でも小さいとは感じず十分にやれています。
というわけで
iPad Pro をしっかり液タブとして使うスタイルも込みで、私からの提案は、PCとの作業連携しつつの11インチ となります。
皆さんのご検討の一助になれば幸いです……! 以上、「11インチか12.9インチか」の記事でした!