巫女キャラの草分け!?お小夜ちゃんの罪な可愛さ
巫女さんキャラは、小説漫画アニメと古くからありますが、ゲームで「巫女さんIP」として最初に確立したのがこの、タイトー「奇々怪界」の「お小夜ちゃん」でしょう。
アーケード版の筐体に貼ってあった説明イラストが秀逸だったんですよね。 物の怪と対峙する退魔師的な巫女さんとして充分な凄みと迫力を持ちつつ、それでいて2.5 頭身でメチャクチャ可愛い…!
今回はその凄みのあるお小夜ちゃんと、ファミコン版のどうかしてしまったお小夜ちゃんを両方描いてみました。
凄みが消え、奇妙な闇だけ残ったファミコン版
まあ、「ファミコン版」と言っても、要はパッケージやキービジュアルだけの話なんですが…。
左のかっこいいのがアーケード版、真ん中のほんわかしたのがファミコン版のお小夜ちゃんです。
アーケード版のお小夜ちゃんは、明暗を強調した色使いやスクラッチな描線のタッチが秀逸で、他のゲームとは一線を画した雰囲気でした。 当時のゲームなら、普通はもうちょっとユーザーに(悪い言い方ですが)媚びた可愛さ強調のキャラにするはずなんです。
今なら全然アリなアートワークですが、凄みをもった萌えキャラ(当事萌えなんて概念は無かったですが)は異彩を放ってましたね。 このイラストではそれを出来るだけ再現できるよう頑張って描いてみました。 なかなか個人的には満足してます。
なんかこう、ゲームとはいえ神様をお救い差し上げる構図なわけですから、襟を正して遊びなさいよと言わんばかりです(言って無いけど)。
一方ファミコン版は、なんかこう…ほんわかしましたね……。 可愛いし、悪くはないんですが、アーケード版であんなに唯一無二のアートワークを確立したのに、なんであの路線を止めてしまったんでしょう。
本当に悪くはないんですが、良さを失ったなあと。
でも、1つ私が気に入っている所があります。
しれっと鉢巻きにロウソクぶっ挿して何してんの!?
なんで!?
誰か呪うの?
最高です。
こんなにほんわかして可愛いくて、そしてそもそも巫女さんなのに「呪う気まんまん」という、闇を抱えた萌えキャラとして、これはこれでありなのかも…。
今回のイラストでは、ちょっと悪乗りして「どうしてこうなった」みたいな描きかたをしていますが、こうしてコラムを書いてるうちに、こっちも少しずつ好きになってきた気がします。
どんな嫌な奴に会ってもニコニコしながらその場を流して、夜に呪ったりしてそう(妄想)。
背景のお堂とかの構図は、PCエンジン版の「奇々怪界」から(このバージョンのお小夜ちゃんは頭身がぐっと上がってお姉さんになっていて、これはこれで好きでしたね)。 ゲーム中に出てくる六角形のお堂のデザインと合わせて描きました。
階段が歪んでますが、この上にお小夜ちゃんを配置しちゃうので適当でいいやと描き流したら、結局地味に見えてしまっているという…。 これもFCお小夜ちゃんの呪いなのか…。
あと、procreate の「フラスコ画」ブラシがいい感じにおどろおどろしいテクスチャを出せるので、最近結構多用しています。
たくさんのお小夜ちゃん
ファミコン版で大きく変わったお小夜ちゃんですが、その後のPCエンジン版やスーパーファミコン版、それ以降でまた色々と変わりました。
公式画像がネットにないので、ネットショップへのリンクで失礼します。 画像を引っ張りたくて置いただけです。 プレミアの付いた超高価中古品ばかりですので、うっかり購入ボタンとか押さないよう、ご注意くださいね…!
個人的には、↑のアーケード版が一番好きです(リンクはアーケード移植のPC版の中古)。
そして2番目はPCエンジン版ですね。
PCエンジン版
頭身が上がったお小夜ちゃん。少しお姉さんになりシリアスな雰囲気もちゃんと出ています。 ゲーム自体も特にサウンドを頑張っていて良かったです。 |
スーパーファミコン版:謎の黒マント
見て一瞬で分かると思いますが、「宇宙家族カールビンソン」「ワッハマン」「まんがサイエンス」「るくるく」…と名作多数の漫画家「あさりよしとお」先生のデザインです。さすがの素晴らしい出来なんですが、あさりさんが描くんなら、もっと毒が欲しかったところ…。 |
スーパーファミコン版:月夜草紙
奇々怪界 あどばんす
GBA版。 GBAなので、より子供向けに寄せたのかなという印象。
ドコモケータイアプリ版
株式会社タイトー|ケータイネット|TAITO STATION ハイクオリティなカジュアルゲームのポータルサイト「タイトーステーション」! |
何気に、アーケード版のキャラデザまんまですよね! アプリ向けにポップな色演出になっていますが、これはよい感じ。 結構好きです。
変幻自在の巫女「お小夜ちゃん」
それにしても、本当にたくさんのお小夜ちゃんが、「巫女さんキャラ」というコアを依り代に、多くのハードや媒体で存在していますね。
こうして並べてみると、初代のお小夜ちゃんの凄みは薄まりましたが、キャラクターとしての彼女が今も残っていること自体はありがたいことだなあと、改めて思います。
また大きく変わったりしても全然OKですのでタイトーさん、また「奇々怪界」を、お小夜ちゃんのゲームを作ってください…!
というわけで、変な妄想と願望が落ちになったレトロゲー絵日記「奇々怪界」でした!
おすすめサントラミュージック
コメントを残す